人生には選択肢がある
一年前に転職活動をしました。
前の会社にいるとき、私を入れてくれる大企業なんてこの会社くらいだ、ってなぜか思い込んでいて、転職なんて正直直前まで全く考えていなかった。
辞めるって決めたとき、上司には色んなことを言われた。
会社を変えてもうまくいかないとか、
ここよりいい環境にお前はいけないとか、
そもそも簡単に転職なんか簡単に出来ないとか。
辞めるって伝えたととたん担当してた業務はすべて外されるしで
なんだか悪いことでもしている気分になったなぁ。
直属の上司だけじゃなくって人事部のひととも何度も面談しなくってはいけなくって
昔、お母さんが「結婚するより離婚するほうが大変なのよー」って言ってたことは
本当なんだろうなってつくづく思った。
この本の主人公は当時の自分と重なる部分が多かった。
別の環境に行きたいけど、今までお世話になった人たちに申し訳ないと思う気持ちとか
転職に踏み切るための一歩に迷ってしまう気持ちとか本当にリアルだなっと。
内容
サラリーマン青野の初めての転職活動を描く奮闘記。
謎のコンサルタント黒岩に出会い、今いる自分の環境が自分にとって最適な環境なのか、そしてこれからどのような環境を選ぶべきなのかを考えてく。
感想
自分を信じて一歩踏み出す
会社だけじゃなくて、日本の学校とか社会全体で言えることだけど、
「今ある環境を幸せに感じなさい。」とか「身の丈にあった人生を選びなさい」みたいな思想が強くって、自分の成長を求めることがなんだか悪みたいな風潮がある。
だから、スキルアップの為に転職をしようとすると、
「この会社に入れただけでお前は幸せなんだ。他の会社が雇ってくれるわけないだろ」
みたいに周りから言われてしまったり。。
周りからそんなことを言われ続ければ、
他に居場所なんてないのかもしれないって思えてきて、
どんどん自身を失って、自殺を選ぶ人もいるんだと私は思っている。
日本国憲法には自由権があるし、本当は自由に考えて自由に行動出来るはずなのに、
精神的には自由に考えて行動するなんて、一度会社に入ると出来にくい構造があるのが今の社会なんじゃないか。
この本の中で主人公の助けをする黒岩がこんなことを言っている。
転職が悪だというのは、新たな選択肢を手に入れる努力を放棄した人間が発明した、姑息な言い訳にすぎない。人間には居場所を選ぶ権利がある。
まさにその通りなんだけど、まだまだ、この姑息な言い訳を手にして、「会社への忠誠心」というきれいな言葉を並べる大人は多い。
常に選択肢を持てる状態にすることが、人生を苦しいものにしない術なんだと思う。
選択肢多く持つためにも、この本で訴えている自分のマーケットバリュを上げてが重要なんだと思った。
「何がしたいか」ではなく「どうありたいか」
この本を読んで少しびっくりしたのが、私がアメリカで夢破れ、
何もやりたいことがなく人生迷子になった時に、
CoachAの人から聞いた「DoingとBeing」の話が出てきたこと。
近年、「やりたいことで生きていく!」みたいな風潮が強いくって、
やりたいことがないと駄目ですよハラスメントみたいに近年なっている気がする。
特に就職活動をしている学生とかそんな感じなんじゃないかな??
私も無理やりやりたいことを探していて、とても苦しかったんだけど、
この「DoingとBeing」の話を聞いたときに、やりたいことがなくてもいいんだって
なんだかとても気持ちが楽になりました。
「こういう自分でありたいな」みたいなところから会社や自分のキャリアを選んでいくとなりたい自分に違づけるんじゃないかと思います。
まとめ
もっと自己啓発的な本だと思っていたら、物語になっててすぐ読んでしまいました。
私が、昨年人材業界に転職を決めたのは、仕事で不幸になっている人を救いたいという思いからでした。日本はまだまだ閉鎖的で人生の選択肢が与えられているようで実は与えらえていないと身をもって経験していたからです。
この本を読んで、去年やってた転職活動のことを思い出して主人公と気持ちが重なるところがとてもありました。
私も主人公の青野と同じで、黒岩のような転職活動の相談に乗ってくれる人が周りにいました。だからこそ、転職活動に踏み切って新たな生活をスタートできました。
でも、世の中には、周りに相談に乗ってくれる人がいない人のほうがもしかしたら多いのかもしれない。
この本は、周りに転職について相談できる人がいない人々を救うものになるんじゃないかなっと思える一冊でした。
そして、私もそんな人を助けれる人になっていきたいなーと思いました。