日本はすごかった(過去形)ということ
留学時代に中国人の友人からこんなことを言われました。
「ねーねー、なんで日本のテレビは貧乏の人を褒めたたえるような番組作るのー?
だから、日本はダメなんだよー。」
まぁ、言われたときはイラっときたけど、正直間違っていない。
当時、テレビでは面白貧乏さんみたいな企画が結構あって、
お金がなくても楽しく生きていけるみたな風潮がかなり強かった。
逆にホリエモンみたいなエネルギーを持った人間は強欲だと叩かれる風潮があった。
お金がすべてだとは決して思わない。
でも背伸びをせずに生きていくことを美徳とするのは違うし、
ましては、エネルギーを持って生きている人間を否定するのは全く違う。
こんなことをいきなり思い出したのは、池上彰大先生のこの本を読んだから。
内容
2018年、現在に起きている国内外のニュースを池上彰とともに学び、
そこから何を感じ、どう自分の生き方、働き方を考えていくのかを考える一冊。
感想
まさに、right nowで起きているニュースを扱っているため、
ニュースを知るという面でとてもいい一冊。仕事をしていると、
どうしてもニュースは垂れ流しているだけになってしまうため、
池上先生の本はとても分かりやすいしありがたい。
そして、国外ではトランプ政権やイスラム国といった話題や
日本の原発問題や森友問題などの大きな話題について改めて考えると同時に、
人生を通じて何を学び、
そこからどのように生きていけばいいか改めて考えることができる本。
そんな中でも、私は最後に書かれていたこの文がとても印象に残った。
このところテレビでは、「日本はすごい」という番組が増えていますが、これは日本に対する日本人の自信のなさの裏返しのように見えます。…
でも、それだけの職人技や文化レベルは、
何年も前に築かれた遺産だということを忘れてはいけません。
それは、「日本はすごい」ではなく
「日本はすごかった」という振り返りでしかないかもしれないのです。
最初に書いた中国人の友人の話もそうですが、
お金では買えない幸せ=貧乏でも幸せを強調したり、
古くからある伝統を称賛するのは、
すべて日本人の現状にたいする自信のなさからくるものだと思う。
たしかに、日本の製品ほど壊れにくいものはなく、
日本ほど安全な国も世界にはなく、
貧富の差も世界の国々にくらべればそこまでない
日本は素晴らしい国であると私も思う。
しかし、昔の人たちが一生懸命作り上げたものに乗っかているに過ぎない。
今、日本の大企業は世界からみれば中小企業レベルだという。
もともとインターネットで本を売っていただけのアマゾンは、
世界中の商品を扱い、ストリーミングなどでエンターテイメントの領域にも入り
事業をバンバン拡大させいている。
日本という国は結局過去の栄光にしがみついている、ダサい国になりつつある。
そんな現状を変えていけるのが、きっと我々世代なのだと思うし、
変えていく為に、仕事や行動を続けていくことが、
留学という貴重な経験をした私の使命なのかもしれないな、と思っている。